ホラリー占星術というのは、質問に依存する占いです。このことが、答えを左右することはよくあります。
「私たちのチームは昇格しますか?」
それと、
「私たちのチームは降格をしそうです。降格を免れますか?」
では、
同じチャートが昇格できない(留まる)となったり、降格をすることになったりします。
ですから、ホラリー占星術というのは統計では無いのです。その例を示します。
下記のチャートに対して、
「私たちのチームは昇格をしますか?」
と、問われたとします。
アセンダントのロードは水星です。この類の質問は、アセンダントのロードのみで判断します。良い場所を占めて行きつつあるか、アンティッションで良い場所を占めに行くか、コンバストになって行かないか、テイルにコンジャンクションしてしまわないか、等々、占星術的な判断を加味します。
昇格を示すのは、事態が好転していって、今の状態よりも良くなるということです。それが、星の上でも現れていなくてはなりません。
私たちは、アセンダントのルーラー・水星の状態を探ります。しかし、良くなりそうな気配はありません。このままの状態を維持します。結局、昇格をしないことになります。しかし、昇格は無いというだけで、降格させられる事はありません。
この場合、チームが降格を免れるには、今よりも良い位置に行かなければいけません。星の上でも、良い位置を占める必要があります。
アセンダントのルーラー水星は、特段の変化をしない場所にあります。
降格を免れることを変化させられない・・・
降格する事を示します。
チャートの判断に当たっては、水星をオーブの範囲内だけを動かして、どのような変化を遂げるかを観察しています。水星のオーブを7度とすると、度数としては火星にまで届きます。その場所ではコンバストに向かっています。しかし、デトリメントの火星も太陽も、今有る場所から前方に進むでしょう。水星に対する決定的な影響力を欠きます。水星にとっては変化をしない状況のままとなります。幾分疲れてくる、といったようなところでしょう。
これらの事柄は、クライアントの意向を注意深く確かめる必要のあることに気付かせてくれます。気付いた瞬間に、質問を受け付けたと言える時間に達するわけです。
私たちは、不注意で質問を誤解することもあります。このような時に備え、アワールーラーの検証をする等のことをするのですが、アワールーラーが合うとか合わないとかを考慮する前に、クライアントの質問を正しく理解しているかを振り返るきっかけとしてチャートの整合性を観察すべきです。
例えば誤解に気付いたら、新たにチャートを立ててもいいのです。心からのコミュニケーションを取れた時間が、理解した時間と言えるでしょう。もとより、人は相手の人の言う事を完全に理解する事はできません。質問の意図はそれほど間違っていなければ、それでいいのです。完璧さを求める必要もありません。
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