◆ 歴史的な視点
西洋占星術を学んでいるあなたにとって、現今の課題は何でしょうか?
もう少し西洋占星術を詳しく知りたいと思って、西洋占星術の本を紐解いてみたけれども、習っている占星術と違うことを言っている人がいる!
それとも、本当に五里霧中で、真剣に西洋占星術を知りたいと考えていらっしゃるのでしょうか?
私は、もう50年以上も西洋占星術に取り組んでいます。実に半世紀が過ぎました。昔々に覚えたことは、金星がお金を表すとか、恋人のチャートと自分のチャートを合わせて1枚のチャートにして観察すると、どこかで惑星同士が、コンジャンクションしていれば、縁が深いことを示すなどでした。
これが意味を為さないと気付いたのは、西洋占星術の勉強を通してではなく、「誰でも、縁があるから出会っているのだと」単純に理解したときです。人は、必要な時に必要な人に出会います。その人があなたに迷惑を掛ける人だとしても、必要だから出会っているのです。あなたも、誰かと出会い、その人にとって迷惑な人かもしれません。でも、すいません、必要だから出会っているのです。
では、惑星や星々は、いったい何を知らせているのでしょうか?
人々は、飽くなき欲求を持っています。知りたいのです。じゃあ、知りたければ勉強をすればいいのではないでしょうか。西洋占星術の勉強は、今のところ、英文のものに頼るしかありません。日本語の本は、どこかに信ぴょう性がありません。私の本であっても、英文の本と合わせて読んでいただけて始めて確信が持てるものばかりです。私の本だけで納得するとしたら、それは片手落ちです。やはり、鵜呑みに過ぎません。もちろん、長い間の経験を積むことも必要なことですから、それで結果が付いてくれば、私の本だけを読んでも、鵜呑みにしたことにはなりませんが。
さて、英文の本で最初に確かめて欲しいのは、金星はお金の星ではない、ことです。
17世紀以前の教科書、又は、それを英訳した教科書では、全て木星になっていることです。
結局は、自分で調べるしかないのです。ウィリアム・リリーの日本語訳が出ています。その中にも、ネイタルの資産的な運を調べるには、2ハウスと、木星と、P.o.Fを調べるのだ(p.552)とあります。そういう風に調べていくことです。
そういったことを述べていながらも、なかなか、金星はお金の星であると認識している人が多いことは、サインの意味が中心の西洋占星術が多く広がっていることを表しています。その占星術は、何も悪いことを言わない、クライアントに優しい占星術として一世を風靡しています。それはそれで何も文句を言う筋合いはありません。ただ、それを使って、具体的な占いをしようとすると壁にぶち当たるしかないのです。具体的な占いとは、この仕事とあの仕事のどちらと契約をした方がいいか、といったものです。
このHPでは、いずれの所でか、西洋占星術の法則の深いものを述べています。
アスペクトだけでは具体的な判断はできず、レシーブ(リセプション)やディグニティーを使うことや、恒星を見ないことには、ネイタルの正しい判断はできないことなども書いています。一部、モダンな占星術を行っている人には耳の痛い事柄もあると思いますが、モダンな占星術は、クライアントを素晴らしい気持ちにならせるといった多大な効果を持つものですから、それを追求していけば良いと考えます。心理占星術なども、この範疇に入るものでしょう。
歴史的な視点を学ぶと、占星術の大きな流れを掴むことができるでしょう。そして、その流れの中で行われてきた技術も、多少の違いがあっても汲み取ることができるようになってくるでしょう。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』