日蝕がありました。大阪でも金環蝕が観測されました。5月21日午前7時30分ごろです。5~6秒と書かれていましたが、もっと長かったです。金冠蝕の期間は5~6分だったのかもしれません。
ところで、金環蝕の時のチャートを見てみると正確なコンジャンクションではありません。何故このようなことが起きるのでしょう?
正確にコンジャンクションの時は、P.o.Fも丁度アセンダントの角度に等しくなります。日蝕の時間の月は、牡牛のサイン、太陽は双子のサインです。
これは、全ての惑星の位置は、地球の中心から見たことにしてチャートが描かれているからです。イメージとしては、下記の図のようになります。
太陽と月のコンジャンクションは、地球の中心、月の中心、太陽の中心と3つが並んだ時にチャートに記入されます。上の図では日本から見ると日蝕になる方向に太陽も月もあります。このように、観測地点(今回は日本)と地球中心の位置がずれていることによって、チャートと現実にずれが生じることとなります。
蝕(月蝕と日蝕の両方)について、西洋占星術はひじょうに高いウェイトを掛けています。上の図で示したように、西洋占星術で日本での日蝕を参照する場合、地球と月と太陽が並んだ時間を採用するのか、日本のある場所で日蝕になった時間を採用するのかという疑問が生じます。これは、日本で起きた(ある場所で)日蝕の時間を採用することになっています。理屈ではそれが通ります。チャートのイングレスを使うのは、世界共通の事象、太陽が牡羊のサインに入るとか、夏至になる瞬間です。
リリーもホラリーの警句で蝕に付いて書いています。
” Look whether the degree of the ascendant, or place of the Signe the Significator is in, be the then place of any Eclipse at hand; though the matter propounded be in a faire way to be concluded, yet shall it insensibly receive prejudice when least is expected, and hardly be concluded. ”
『近々に何らかの蝕がある場合、アセンダントの角度や表示星が入っている場所のサインが、そこ(蝕の起こる場所)に在るかどうかを見よ。(質問事項のアセンダントや、表示する惑星の入っているサインが蝕の場所と密接な関係があれば)提出された問題はありふれた結論に達する見込みがあっても、ほんの些細な(傷)を予測させたとしてもそれは気付かずに損害を受け取ってしまい、ほとんど実を結ばないこととなる。』
滅多にそういう機会があるわけでも、そういう時にアセンダントや表示星がそこに在る事は起こりはしません。しかし、格言としてはとても大事なものであることに間違いはありません。少なくとも、月は全ての表示星の中でも大事なものですから、近くに蝕が起きた⇔起きる場所に注意したいものです。
月は動きが早いので、蝕の起きる前後24時間ほどが考慮しなくてはならない時間帯となります。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』